鬼ツッコミする2つのこと

面接官が見ること・聞くこと

転職理由

転職理由に関しては、次のような理由で徹底的に指摘をすべきです。

  1. その理由は、ほんとうに今の職場で実現できないことなのか?
  2. 当社がその理由にマッチしていないとすれば、辞退されるのか?

転職の理由のほとんどは「今の会社が嫌だから」です。残りはリストラ、倒産、事業縮小、ヘッドハンティングです。ほとんどの人が現在の職場の様々な部分に嫌気をさしているから転職します。そんなことは百も承知なのですから、それを前提として、応募者が今の職場でその嫌な部分に対して改善のために努力したのか、それがかなわなかったとして、新しい職場に何を求め、なぜ当社を選んだのかを探ります。

私の体感ですが、応募者の5人に4人が「条件が良ければどこでもいい」と考えています。それでもなお、その会社を選んだのはなぜか、を聞き出す必要があります。その際、応募者の回答に気をつけてください。さりげなく本音が隠れています。

例えば、会社の事業の成長性や安定性に魅力を感じ、その業務に対して応募者が持つ技術によって様々な貢献ができると考えている、と答えた時、その方がぼそっと「幅広い裁量権が認められると募集要項にも書いてありましたので」とつぶやき、多くの面接官が聞き逃してしまうことがあります。実はこれが本音です。会社の成長性や安定性以上に、裁量権を認めて貰って、応募者が考える様々なプロセスによってより爆発的な成長を遂げる計画を持っているのです。これを聞き逃し、入社後に「実は裁量権など何もない」と事実を突きつけてしまうと、その方は入社手続き前に逃げるか、入社後仕事をしているふりをして、会社の環境でゴリゴリスキルアップしながら次の転職先を探します。

長所

応募者がご自身で語る長所、得意なこと、という部分にも探りを入れるべきです。逆に短所については自覚的な弱点で、その種の自己分析は間違いありません。

自分自身で感じている長所というのは、人に語るほどの強みではなく、今までの職場ではたまたま評価されているに過ぎなかっただけ、という場合もあります。不思議なことですが、特に専門的な職種であるほど、その人材の本当の良い部分というものは、ご自身ではわかっておらず、ほとんど特筆すべきでない部分について「自分はできる」と勘違いされていることが多いです。

多くの応募者はご自身の短所について聞かれることに警戒し、長所については事前によく考えていないことが多い傾向にあります。そのため、協調性がある、明るい、コミュニケーションが得意、といったいまの企業に求められる面白くない言葉でしか表現できないまま終わってしまいますが、その方の尖った部分を掘り出すのは半分は面接官の仕事です。

実際面接で自分で試してみて、また面接官として回答をもらった中で、これいいな!って思ったのが、”素直に回答しない” という方法です。

How are you?と聞かれたら、I’m fine thank you! って答える。長所と短所は?と質問されたら、まずわたしの長所は~と話し始めてしまう。 どちらも模範解答すぎて面白くないなぁ~って。

面接で 「長所・短所」 を聞かれた時に ”普通に答えない” のはなし

こうしたご自身の長所については、どれくらい自分自身の能力の特質について自己分析されているかによりますし、またそれを上手くプレゼンする能力にも関わってきますが、面接する側としては、それも総合的な能力として判断すべきです。本当は素晴らしい能力を持っていたとしても、口下手でそれが伝わらなければそれまでです。

 

危ないセリフ→
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