責任を持つこと

面接官が見ること・聞くこと

面接官に現場の人間を充てる場合、その面接官が責任を持って応募選考を行うか見抜くべきです。

ここで実際の話を示しましょう。

技術職応募を行った際に、私と現場の人間と二人で面接を行いました。その結果、その応募者は「なんとなく離職し、なんとなく楽な職場を探しており、社内SEなら開発系より楽ではないか、スキルのない自分でも俺スゲエできるのではないか」といった理由で志望されていることが薄々発覚しました。私はにべもなく落選としましたが、現場の人間が「全然大丈夫だと思いますよ」と推薦してきたのです。

よくよく話を聞くと「言われたことはちゃんとやりそう、言われていないことまではできないかもしれないが、性格は真面目だし、単価も安いし、そもそもウチの現場ではそれ以上の人材は望めない」という全然納得できない理由でした。では現場の判断として責任持つならその内容を添えて二次に推薦するよ、と言ったところ「責任持つ必要あるんすか?」と猛反発。

この現場の人間は上層部の間でもちょっとした問題児扱いされており、スキルが低い割に単価が高いことで処遇が難しいとされていたのですが、それらの背景を併せて考えたとき、おそらくこの現場の人間は「自分自身よりスキルの高い人材が雇われてくることが面白くないので、確実に自分より格下を採用したい」という実に無責任で見下げ果てた本音が隠されていることが見て取れました。

結果的に二次への推薦ではなく、二次担当へ一次の結果と各々の所感を添えて上層部判断を仰いだところ「論外」と一蹴されました。当然の判断だと思います。

このように、現場の人間を面接に交える場合、現場でしかわからない技術的な面について詳細をその場で聞いて確認することができますが、現場判断でどうしようもない人材にOKを出されてしまう危険性も大いにあるのです。

こういった人材採用についてあまり関わらない責任の軽い平社員などは、エージェントから紹介された人材のコストについても知らないことがほとんどです。一般的なエージェントでは年収の35%、つまり450万の人材を雇用する場合、157万5千円のマージンが発生します。よりよい人材を優先的に紹介して貰おうとすると、45%〜50%に跳ね上がります。

157万の駄目な人材を雇ってしまい、ほんの数ヶ月で辞められてしまうと、追加で採用するための予算が足りなくなります。結果的に、採用の失敗は現場へのしわ寄せに転化されるのですが、現場は「辞めた奴が悪い、会社の提示する条件が渋い」と愚痴を言うばかりで責任など一切負いません。そんな人間を採用の場に出してはいけません。

 

駄目な面接テクニック→
タイトルとURLをコピーしました